近視総合
近視総合
外来日 | 火曜日午前、水曜日午後、金曜日午前、金曜日午後 |
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担当医師 | 鳥居秀成、四倉絵里沙、森紀和子 |
Orthokeratology lens clinic
Chief | Hidemasa Torii |
Members | Hidemasa Torii, Erisa, Yotsukura, Kiwako Mori |
Specialty | Orthokeratology |
オルソケラトロジーとは、就寝時に特殊デザインの酸素透過性ハードコンタクトレンズを装用することにより、角膜のカーブをゆるやかにし、レンズを外した後の裸眼視力を一時的に改善することができる治療法です。
オルソケラトロジーによる屈折矯正は、屈折値が安定している近視、乱視の屈折異常が対象となり、適応とする屈折異常は、近視度数は原則として-4.0 Dまで、乱視度数は-1.5 D以下としていますが、これ以外の場合でもご相談ください。オルソケラトロジーが可能な条件は、眼疾患を有していない健常眼であること、重症なドライアイの所見がないことなどが挙げられます。対象年齢は原則20歳以上ですが、近年オルソケラトロジーによる近視進行抑制効果も認められており、20歳未満にも慎重な判断の上、実施することが可能ですので御希望の方は御相談下さい。
メガネやコンタクトレンズが煩わしい方へ
メガネの装用が難しい方、コンタクトレンズを装用すると「ゴロゴロする」「夕方になると充血する」など、日中のコンタクトレンズの不快感から解放されたい方にお勧めです。
裸眼でスポーツを楽しみたい方へ
野球・サッカーなどのスポーツや、水泳・サーフィン・スキューバーダイビングなどの水中スポーツをされる方にもお勧めです。
手術に抵抗がある方へ
「手術をするのは怖い」「術後の感染症などが不安」など手術に抵抗がある場合、オルソケラトロジーは基本的にはレンズの装用を中止すれば角膜を元の状態に戻すことができます(*例外もあります)。
• 昼間装用するコンタクトレンズと同じく、扱い方などの条件によっては感染症などの合併症が起こることがあります。
• 視力が安定するまで見え方が変動することがあります。
• 夜間に眩しかったり、光がにじんで見えたりする可能性があります。
• 完全自費診療になりますので、保険診療ではありません。
近年、オルソケラトロジーの近視進行抑制効果が認められており(適応外の方など例外もいますので、全ての方に効果が保証されるわけではありません)、通常の眼鏡を装用していた群と比較し、オルソケラトロジー装用群で1年間の眼軸長伸長量が有意に少なかったことが報告※1されており、本邦でも通常の眼鏡に対し、約30%の眼軸長伸長抑制を認めたことが報告※2されています。さらに10年間の長期報告※3でも、オルソケラトロジーは近視進行を有意に抑制し、安全性にも問題がなかったことが明らかとなっています。
昨今は前述の学童における近視進行抑制効果が注目されていますが、成人に対しても近視矯正方法の一つとして装用することができます。国内の成人(平均屈折値-2.6 D)に対する臨床試験では、装用1週間で裸眼視力0.7以上の割合が90%、装用2か月で裸眼視力1.0以上の割合が90%であったことが報告※4されています。安全性や有効性も示されていますが、眼球の形状や近視や乱視度数などから不適応となる場合もあり、オルソケラトロジーレンズを装用することのメリット、デメリットを考慮する必要があります。