近視総合
近視総合
私たちは、学童期の近視進行を抑えるために、最新の知見に基づいた適切な治療を行っていきたいと考えています。年齢や近視の程度、進行程度、ライフスタイルなど個人個人で異なりますので、その方それぞれに最適な治療法をご提案します。
ただし、最適な治療を選択したとしても、それぞれの治療効果には個人差があること、すべての人で下記の治療効果があるわけではない(保証されない)ことはご承知おきください。
(眼内のレンズ)の間(=後房)に人工のレンズを固定するICL(アイシーエル)です(図1)。当院では現在、角膜屈折矯正手術は原則として行わず、ICL手術のみを行っています。
外来日 | 火曜日午後、水曜日午後、金曜日午後 |
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担当医師 | 鳥居秀成、四倉絵里沙 |
Myopia clinic for school children
Chief | Hidemasa Torii |
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Members | Hidemasa Torii, Erisa, Yotsukura |
Specialty | Myopia |
どの年齢・近視の程度でも勧められるものとして、1日2時間以上の屋外活動があります。屋外の光環境(照度や波長など)が重要であることが報告されており、私たちは日光に含まれるバイオレットライトが、近視進行抑制効果がある可能性を基礎実験、臨床実験で発見しました※1,2。バイオレットライトとは、波長360~400nmの可視光です。
通常の紫外線カット眼鏡では、近視進行抑制の可能性があるバイオレットライトまで一緒にカットされてしまいます。そのため、このバイオレットライトの波長領域を選択的に透過させることのできるレンズが市販されています。
0.01%などの低濃度アトロピン点眼が、点眼中止後のリバウンドも少なく近視進行抑制に有効と考えられています。慶應義塾大学を含む国内7大学による多施設共同研究により、0.01%アトロピン点眼群とプラセボ群の2年間の屈折値変化量と眼軸長伸長量が検討されました。その結果、2年間の近視進行抑制率は、屈折値変化量で15%、眼軸長伸長量で18%と、ともに有意差を認めたことが報告されました※3。
本治療は寝ている間に特殊ハードコンタクトレンズ(CL)を装用し角膜を平坦化させ、近視を矯正する治療で、通常の眼鏡に対し約30%の眼軸長伸長抑制を認めたことが報告されています※4。さらに10年間の長期報告でも、オルソケラトロジーは近視進行を有意に抑制し、安全性にも問題がなかったことが報告されています※5。
クロセチン配合サプリメントで、基礎研究と臨床研究で短期安全性・有効性が確認されています※6,7。臨床研究は多施設二重盲検無作為化ランダム化比較試験で実施し、日本の近視児童69例をクロセチン群とプラセボ群の2群に無作為に分け、24週間経過観察し、屈折度数及び眼軸長の変化量を比較しました。その結果、クロセチン群はプラセボ群に比べ、眼軸長の伸長が14%抑制されるとともに、屈折度数の低下が20%抑制され、ともに近視進行を有意(P<0.05)に抑制する効果があることが確認されました(下図)。
多焦点/焦点深度拡張型ソフトコンタクトレンズ
多焦点/焦点深度拡張型ソフトコンタクトレンズを装用することで近視進行抑制効果が期待できる可能性があります※8。