近視総合
近視総合
現時点では近視が進んでしまったら基本的にはもとの目の状態に戻すことはできませんが、手術治療をご希望の場合には角膜屈折矯正手術や有水晶体眼内レンズを眼の中にいれる治療などがあります。厚生労働省承認の有水晶体眼内レンズは虹彩と水晶体(眼内のレンズ)の間(=後房)に人工のレンズを固定するICL(アイシーエル)です(図1)。当院では現在、角膜屈折矯正手術は原則として行わず、ICL手術のみを行っています。
ICLは後房型の有水晶体眼内レンズで、ICLを挿入することにより裸眼視力が向上することが期待されます。ICLは軽度~中等度近視から強度近視まで幅広い適応があり、角膜を削らずに眼内に挿入したレンズで視力を矯正するため、収差の増加が最小限であり、コントラスト感度の低下がありません。
従来のICLは房水循環を保つために術前もしくは術中に虹彩切開の必要がありましたが、レンズ中央に0.36mmの貫通孔を設けることで虹彩切開の処置が不要となった「アイシーエル KS-AquaPORT® STAAR Surgical社製)(図2)」が2014年に日本において厚生労働省の承認を受けました。当院でのICL手術には、このアイシーエルKS-AquaPORT®を使用しています。
なおICLは、近視の度数が-6.0D(近視を矯正するのに必要な眼鏡レンズの度数を数値で表したもの)以上で、21~45歳の方を対象として、2010年2月に我が国の厚生労働省から承認を受けていますが、それ以外の方で適応外や禁忌に該当する方(-3.0D以上-6.0D未満の場合、または、46歳以上の場合や、前房深度(角膜と水晶体の距離)2.80mm未満の場合、白内障術後の場合など)に対しては、医師の診断の上、慎重に検討しますので御相談下さい。
また、近視の度数が-0.5D以上-3.0D未満に該当する場合には、我が国では、この度数に対応したレンズは厚生労働省から承認されておらず販売されていないため、海外より輸入したレンズを使用します(日本でも同型のレンズは承認・販売されておりますが、-3.0D以上の近視に対応したレンズしか承認・販売されていない状況です)。こちらに対しても医師の診断の上、慎重に検討しますので御相談下さい。
ICL手術は「自費診療」です。厚生労働省に正式に認可された治療法ですが、健康保険は適用されません。ご自身で生命保険にご加入の場合、生命保険会社およびご契約内容によっては手術代金の一部が支払われる場合があります。詳細につきましてはご加入の生命保険会社にお問い合わせください。
手術費用(入院費は含みません) | |
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片眼 | 350,000円+消費税 |
両目 | 700,000円+消費税 |
ただし、-0.5D以上-3.0D未満に該当する場合には以下の費用になります。 | |
片眼 | 450,000円+消費税 |
両目 | 900,000円+消費税 |
予約方法 | ICL外来は毎週水曜日午後のみの診療とさせていただきます(完全予約制)。 ご予約については、外来予約センターへお電話にてICL外来の予約をお取りください。 |