慶應義塾大学医学部 眼科学教室
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研究グループ

眼科疫学

疫学研究グループ(Epidemiology)

メンバー

チーフ : 羽入田 明子
メンバー : 結城 賢弥、佐々木 真理子、内野 美樹、根岸 一乃、栗原 俊英、小沢 洋子、森 紀和子、四倉 絵里沙、明田 直彦、山西 竜太郎、安川(山崎)知世、大藤 嘉子、佐藤 真帆

研究テーマ

疫学とは人間の集団を対象として、病気の原因や本体を究明する学問です。我々のグループでは加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、ドライアイ、角膜内皮変性、近視、緑内障等の眼科疾患の原因を明らかにし、それらの疾患の予防法の開発につながるエビデンスの構築を目的とした研究を行っています。

研究キーワード疫学、住民対象、リスク要因、眼疾患、コホート研究

研究プロジェクト

国立がんセンター予防疫学研究グループ、大阪大学公衆衛生学教室、筑波大学社会健康医学研究室と共同で長野県佐久地域ならびに茨城県筑西地域においてOCT検査、眼圧測定、角膜内皮細胞数測定、前房深度測定、眼軸長測定等を行い緑内障、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、近視等を対象とした検診を行っております。今までに約20000名の方に検診を行い、現在、コホート研究として、同住民を対象に追跡調査中です。今後は症例の全身データや生活習慣に関するアンケート結果との関連を解析し、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、近視等の危険因子を明らかにしていきたいと考えています。

【図1】糖尿病、HbA1c、血糖値と高眼圧症の関連

※年齢、性別、BMI、喫煙、飲酒歴、高血圧の既往で統計学的に調整

6,786人の研究対象者のうち、734人(10.8%)が糖尿病を有していました。糖尿病「あり」のグループは、糖尿病が「ない」グループに比べて、統計学的有意に眼圧が高く、平均眼圧は、それぞれ、14.4mmHg、と、13.9mmHgでした。糖尿病「あり」のグループは、糖尿病が「ない」グループと比べて、高眼圧症の有病率が統計学的に有意に高いことが分かりました。同様に、HbA1cおよび血糖値が高いグループは、それぞれ低いグループと比べて、高眼圧症の有病率が統計学的に有意に高いことが分かりました。
国立がん研究センターによる「次世代多目的コホート研究」HPより

脈絡膜の厚さと中期AMDの有病は関連がみられた

調査に参加し眼底検査を実施した901名(平均年齢、73.2歳、男性376名、女性525名)のうち、眼科医によって初期AMDは136名、中期AMDは81名と診断されました。AMD所見がない人と比較して、中期AMDの人では、脈絡膜が厚いという関連がみられました(図2)。

【図2】脈絡膜の厚さと初期・中期AMDの有病

※脈絡膜の厚さが1μm標準偏差増加した場合のそれぞれのリスクを示しています。

国立がん研究センターによる「次世代多目的コホート研究」HPより

代表論文